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ラズベリーパイ入門講座2(VNCで遠隔操作をする)

2024年4月19日

前回の作業で、ラズベリーパイにOSをインストールすることができました。
今回は、ラズベリーパイの画面をパソコン上に表示して遠隔操作ができるVNC Viewerの導入までの作業を行います。
下記の流れで作業を行います。
SSH接続→コマンドライン上でラズベリーパイの設定→VNCで接続
ラズベリーパイの電源を入れた状態で作業を行ってください。

ラズベリーパイにSSH接続しよう

ラズベリーパイの画面を自分のパソコンに表示して、リモート操作をするためにVNCを使用します。
そのための準備として、ラズベリーパイにSSH接続を行い、ラズベリーパイの「VNC設定をON」にする作業を行います。

SSHとは?
SSHは、Secure Shell(セキュア・シェル)の略で、ネットワーク経由で他のコンピューターに接続し、遠隔操作するための仕組みです。
SSHは、キーボードの入力のみでコンピューターを操作する必要があります。
今回は、Wi-Fiを使用して、自分のパソコンからラズベリーパイにSSH接続して操作します。

SSH接続を行うために「Tera Term」というソフトをダウンロードします。
Tera Term(テラターム)と検索して、ダウンロードするか下記のリンクからダウンロードします。
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/utf8teraterm/
ダウンロードファイルを開き、Tera Termをインストールします。

インストールが完了したら、Tera Termを起動します。

teratermの起動画面

「新しい接続」画面が出たら、「Raspberry Pi Imager」で設定したホスト名を入力して「OK」を押します。
デフォルト設定の場合、ホスト名は「raspberrypi.local」となります。

teratermセキュリティ警告

「セキュリティ警告」画面は「続行」を押します。

teraterm認証画面

SSH認証画面では、「ユーザー名」「パスフレーズ」を入力→「OK」

SSH接続に成功すれば下記の黒い画面が表示されます。

teraterm接続完了画面

これでSSH接続作業は終了です。
次は、このコマンドライン画面で、VNC接続をするための設定を行います。

VNC接続を行う

SSH接続が成功して、コマンドラインでラズベリーパイを操作することができるようになりました。
このコマンドライン上で、VNCの設定を行います。

VNCとは
VNC(Virtual Network Computing)とは、ネットワークを通じて別のコンピューターに接続し、そのデスクトップ画面を呼び出して操作することです。
簡単に言えば、離れたところから別のパソコンを操作したいときに使います。
今回だと、ラズベリーパイを遠隔操作するためにVNC接続を行い、自分のパソコン上で操作できるようにします。
これにより、ラズベリーパイにモニターやキーボードを接続しない状態でも作業をすることができるようになります。
VNCを使用するためには、ラズベリーパイ側の設定とパソコン側の設定を行う必要があります。

【ラズベリーパイ側の設定】
1.「VNC」をオンにする

Tera TermでSSH接続した状態でコマンドを入力して、Enterを押します。
$ sudo raspi-config
teraterm5
ラズベリーパイの設定画面に入ります。
teraterm6
「↓」キーを押して「Interface Options」の項目を選択し、Enter

teraterm7
「VNC」の項目を選択し、Enter

teraterm8
「Tab」キーを押して「Yes」を選択し、Enter
「The VNC Server is enabled」というメッセージが表示されれば完了です。
設定画面は「ESC」キーを押すことで戻ることができます。
終了時は、「ESC」キーを複数回押してください。
これで、ラズベリーパイ側の「VNC」機能はONになりました。


2.config.txtの編集

次は、VNCを使用するときに出るエラーを防止するための設定です。
コマンドライン上で、nanoテキストエディタを開き、/bootディレクトリ内のconfig.txtを編集します。
下記のコマンドを入力することで、nanoテキストエディタの画面に移動します。
$ sudo nano /boot/config.txt
teraterm9

teraterm10
「#hdmi_force_hotplug=1」の「#」記号を削除します。
「#」を削除することで、有効化されます。
nanoエディタは、「Ctrl + s」で変更を保存、「Ctrl + x」でテキストエディタを終了できます。


3.ラズベリーパイのIPアドレスを調べる

Wi-Fi接続しているラズベリーパイのIPアドレスを調べます。
VNCで接続する際に必要になる情報です。
$ ifconfig
teraterm11
teraterm12
Wi-FiのIPアドレスは「wlan0」内の「inet」の部分に表示されます。
端末によって、IPアドレスの値は異なります。
「192.168.45.14」のような数字の部分をメモしておいてください。

最後に設定を反映させるためにラズベリーパイを再起動します。
$ sudo reboot now
これでラズベリーパイ側の作業は終了です。

【パソコン側の設定】
1.「VNC Viewer」をインストールする

VNCを行うためのソフトをインストールします。
「VNC Viewer」と検索するか、下記のリンクからダウンロードを行ってください。
https://www.realvnc.com/en/connect/download/viewer/
vnc1
「Windows」を選択、「Download RealVNC Viewer」をクリックするとダウンロードできます。
ダウンロード後は、インストールを行います。

インストールが完了したら、「VNC Viewer」を起動します。
vnc2
VNCで接続するため、ラズベリーパイの電源がONになっていて、ラズベリーパイと作業しているパソコンが同じWi-Fiで接続されていることを確認してください。
「Enter a VNC Server address or search」の入力フォームに、調べたIPアドレスを入力します。

vnc3
警告画面が表示されますが「Continue」を押します。

次に認証画面です。
vnc4
設定した「ユーザー名」「パスワード」を入力。
VNCでの接続が成功すれば、ラズベリーパイのトップページが表示されます。
vnc5
おつかれさまでした。
これで、自分のパソコンからラズベリーパイの画面を遠隔操作することができるようになりました。

最後に、ラズベリーパイをシャットダウンするには、
左上のラズベリーパイのアイコンをクリック→「Logout」→「Shutdown」で行えます。
vnc6
vnc7

今回の内容はここまでです。
次回は、言語設定をした後に、ラズベリーパイでpythonプログラムを実行します。

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